日本ブリーフサイコセラピー学会

日本ブリーフサイコセラピー学会 第34回 盛岡大会
The Japanese Association of Brief Psychotherapy Annual Meeting

ワークショップ

9月14日(土) 13:00~18:00

大会ワークショップのご案内

  • 申し込み状況により、受付を締め切るコースが出てくる場合がございます。
  • 本ワークショップは、①臨床心理士資格取得後の教育・研修機会、②日本精神神経学会 専門医単位(B群)として申請予定です。
  • 申し込み後に選択コースを変更することはできませんのでご了承ください。

※ワークショップの参加申し込みは「参加申し込みについて」のページにてお願いします。

1 初学者のためのやさしいブリーフセラピー
谷英俊(川崎医科大学附属病院)
山仲彩代(中村メンタルクリニック/やまき心理臨床オフィス)

「ブリーフセラピーって何?」「ブリーフセラピーって興味はあるけど、よくわからない」と思っている方に向けた、入門ワークショップです。
ブリーフセラピーとは、ミルトン・エリクソンの視座や技法に影響を受けたアプローチの総称です。各アプローチには、それぞれの志向性や技法がありますが共通点もあります。このワークショップでは、共通点を易しく取り上げながらブリーフセラピーの魅力を紹介していきます。
例えるなら、胃にやさしく消化しやすい、そのような講義とワークで「もっと学びたい!」「明日からちょっと取り入れてみよう!」と思える時間になることを目指します。ふるってご参加ください。

【定員40名】

2 解決志向アプローチ 実践編
黒沢幸子(目白大学/KIDSカウンセリング・システム)
西田晴香(東京都スクールカウンセラー)

※このワークショップは、解決志向アプローチの考え方や技法をある程度知っている人向けの内容となります(初学者の方は他のワークショップをおすすめします)。

解決志向アプローチを臨床現場で実践しているけれど、なんとなくうまくいっていない気がしていたり、もっと上手に使えるようになりたいと思ったりすることはありませんか?このワークショップの前半では、講師たちの面接デモンストレーションを録画し、振り返りながら、明日から現場で生かせるコツをお伝えします。後半は、解決志向アプローチを使う中でつまずきやすいところをもとに、ワークを行います。明日からもっと上手に解決志向アプローチを使っている未来を想像しながら楽しく一緒に学びましょう!

【定員60名】

3 エリクソニアン・アプローチ入門
津川秀夫(吉備国際大学人間科学部)

ミルトン・H・エリクソンは、卓越した臨床実践から「心理療法界のモーツァルト」と称されました。エリクソンの臨床は、クライエントの独自性を尊重し、リソースや強みを活かすことを特徴とします。このワークショップでは、エリクソンの人となりの紹介をはじめ、エリクソニアン・アプローチの実際について講義とワークを通して初歩からお伝えします。今回は特にトランス現象に焦点を当て、その体験や引き出し方、またトランス現象に基づくアセスメントや介入についても取り上げる予定です。エリクソンに関心のある方はもちろん、ブリーフセラピーの源流に触れたい方、日々の臨床をもっと柔軟に進めていきたい方、等々のご参加をお待ちしています。

【定員30名】

4 PTMF:パワー・脅威・意味のフレームワーク
白木孝二(Nagoya Connect & Share)

PTMF(Power Threat Meaning Framework)は、精神科診断に基づく医学モデルへのalternativeとして、心理的苦悩をとらえ直し、新たな支援の可能性を示すためにイギリスの専門家と利用者によって開発されたものです。
Lucy Johnstoneによれば「我々の苦しみの理由についての、精神科診断に基づかない、これまでとは異なった、希望に満ちたナラティブ、物語を創り出すためのツール・方法を与えてくれる」ものです。
オープンダイアローグ、トラウマ・インフォームド・ケア、ナラティブなどの哲学を含み込み、心理的な苦悩、問題とされる行動の新たな理解と包括的支援を可能にするパラダイムとして大いに期待されています。オープンなダイアローグと体験実習を通して、PTMFが臨床実践の新たなリソースとなる機会にできればと考えています。

【定員60名】

5 ソリューション・フォーカスト・アプローチと認知療法
伊藤拓(明治学院大学心理学部)

ソリューション・フォーカスト・アプローチ(SFA)と認知療法には、質問をベースにして協同的な対話を行うという共通点があり、親和性があると考えられます。そのことは、SFAと認知行動療法を統合したポジティブ認知行動療法が開発されていることからもうかがえます。演者は、SFAをオリエンテーションとして実践を開始し、その後、認知療法も学び実践してきました。そのためからかもしれませんが、SFAの考え方や方法は、認知療法に有効に活用でき、認知療法の実践をより協同的にし、よりクライエントの強みを引き出すことに貢献できると考えています。さらに、認知療法の考え方や方法もSFAの実践に活かせると考えています。
本ワークショップでは、(1)SFAの考え方と方法、(2)認知療法の考え方と方法、(3)SFAの認知療法への活用について、レクチャーとワークを通して学びます。

【定員40名】

6 システムズアプローチ入門~コラボレーションの実践に向けて
田中究(関内カウンセリングオフィス)

システムズアプローチをベースとしつつ、システム論に加えて協力関係を重視する手法を、試しにCollaboration Centered Counseling(3C)と呼んでみます。システムとコラボレーションを中心に据えると、人→関係性、セラピストの専門性→クライアントの固有性、そしてジョイニング→カップリングと、臨床の組み立て方が変わります。そう、3Cは対人援助をめぐる古くて新しいテーマを囲いこむのに最適なのです。
コラボレーションは多職種協働を指すこともありますが、本ワークショップは、「そもそもコラボレーションとは何なのか」、と問うところから始めます。ベイトソン、マトゥラーナ、ローティらによる理論的背景をベースに、システム論からはパターンとフレームの2概念を持ちこんで、3Cのシンプルな実践モデルおよび事例をご紹介いたします。

【定員60名】

7 SCがする面接以外の仕事―解決志向をヒントに
渡辺友香(KIDSカウンセリング・システム)

SCは、通常の面接のみならず、集団への支援や予防的介入など、様々なことができて当然だと思われています。限られた勤務時間の中で、日々変化する学校のニーズにタイムリーに応える必要があり、急遽、心理教育をする、全員面談をする、講話をするなどということも珍しくありません。日頃から「ネタ集め」「下準備」を重ね、ストックしておくことが大切です。
今回は、『解決志向のクラスづくり完全マニュアル』(ほんの森出版)でご紹介した学級への支援法をはじめ、解決志向を活用した心理教育などについてお話しします。実際に使っているワークシートにも触れていただきながら、ご一緒に考えたり、体験したりする場にしたいと思います。仕事の幅を広げるヒントになれば幸いです。SCのみなさまだけでなく、SSW(スクールソーシャルワーカー)や教員のみなさまにとっても役立つ内容ですので、ふるってご参加ください。

【定員50名】

8 哲学対話の方法とファシリテーションの実際
河野哲也(立教大学文学部)
音喜多信博(岩手大学)

哲学対話は、哲学的なテーマについて参加者全員で考えながら対話する、実践的な哲学です。東日本、とくに東北地方では震災の後に急速に普及し、企画者も被災地を中心に、哲学カフェや学校での哲学対話の実践を継続的に行ってきました。本ワークショップでは、これまで企画者が実施してきた様々な哲学対話(哲学カフェ、子どもの哲学、地域創生対話、美術館での鑑賞型対話、企業での研修など)の事例を紹介しながら、哲学対話の方法と意義について説明した後に、実際に、参加者の皆さんに哲学対話を経験していただきます。随時、ファシリテーションの行い方、そのコツや課題について説明しながら、対話のもたらす参加者の相互理解とテーマに関する思考の深まりを体験していただけたら幸いです。

【定員30名】

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